2008年12月8日月曜日

日本の国会議員30名含む、アジア・太平洋地域の議員240名以上がビルマの民主化求め国連事務総長へ書簡

日本の国会議員30名を含む、240名以上の議員がビルマの民主化を求めて国連事務総長宛に書簡を送りました。以下、ご報告いたします。


ビルマ市民フォーラム
事務局 宮澤

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アジア・太平洋地域の国会議員240名以上がビルマの民主化求め国連事務総長宛て書簡を送る 
--- 日本からも国会議員30名が賛同 ---
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12月5日、アジア・太平洋地域の国会議員241名が、播其文国連事務総長あて書簡を提出しました。この書簡は、年内にすべての政治囚を解放するよう軍政に働きかけることを、事務総長に要請するもので、アセアンの国会議員によるミャンマー議連(AIPMC)が各国の議員へ呼びかけ、日本、韓国、カンボジア、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポールから計241名が賛同しました。日本の国会議員30名も賛同。国を超え、これほど多くの国会議員の賛同はおそらく史上初でしょう。

ビルマ政府は先月11月に200名以上の民主化活動家や僧侶に対し、長期の禁固刑を下しました。賛同署名を呼びかけたAIPMC議長でタイの国会議員のクライサック・チュンハワン氏は、「人びとの苦しみをこれ以上放っておくべきではない。世界は自然災害による壊滅的な被害時のみ支援するのではなく、こうした苦しみを一刻も早く止めるべく、行動するべきだ」と述べています。


2008年12月8日

日本の国会議員への呼びかけ
  ビルマ情報ネットワーク
  ビルマ市民フォーラム 

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▼『国連事務総長への書簡』・原文と賛同議員241名のリスト(英語
http://www.aseanmp.org/news/wp-content/uploads/2008/12/letter-to-un-asian-mps-namelist.pdf

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【参考】 『国連事務総長への書簡』 日本語訳

私たちアジア諸国の国会議員は、それぞれの国の市民を国政そして世界の場で代表するために選ばれました。今日、ビルマ(ミャンマー)で2,100人以上の政治囚が獄中にあるという深く懸念すべき事態について、この書簡を送ります。
 ご存知のとおり、国連安全保障理事会、国連総会、そして国連人権理事会はビルマ軍事政権に対し、直ちにすべての政治囚を釈放するよう求めています。
 軍政は国際社会の要請を露骨に無視し、政治囚の釈放を行わず、実質的対話も始めませんでした。それどころか、この1年間で政治囚の数はほぼ倍に増え、2,100人を超えています。
 それだけでなく、ビルマ軍政は政治囚の存在を政治策略に利用してきました。国連代表者の訪問中や訪問後に数人の政治囚を釈放するのです。真の国民和解をするにはすべての政治囚を釈放するべきですが、それはしません。国連の代表者がビルマを去ると必ず、新たに逮捕される者が出ます。
 事務総長が今年12月にビルマを訪問する可能性があると理解しています。是非、予定通り訪問していただきたいと思います。そして訪問の機会を利用して、2008年末までにすべての政治囚が釈放されるように事務総長が働きかけを行うことを求めます。
 すべての政治囚が釈放されることは(ビルマの政治改革の中で)大きな前進となり、国民和解プロセスの開始に向けた明確で具体的な第一歩となるでしょう。
 しかしながら、軍政が(事務総長の訪問を機に)ほんの数人の政治囚を釈放するようなことがあれば、それは見せかけで、軍政がこの数十年間、権力を保持するために使ってきた戦術と何も変わりません。
 ビルマ国民はもう何十年間も苦しんできました。私たちには、ビルマ国民が平和で持続可能な政治的解決に至るためにできる限りのことをする道徳的義務があります。このためには何の努力も惜しむべきではありません。
 すべての政治囚の釈放という具体的な結果を出すために、事務総長が直接、そして特使を通じて努力してくださることを信じています。私たちも全面的に協力する用意があります。


▼ 日本の賛同議員
(敬称略)

中川正春
糸数慶子
辻元清美
池田元久
今野東
中村哲治
ツルネンマルテイ
江田五月
菅野哲雄
照屋寛徳
阿部知子
岡崎トミ子
山田正彦
金田誠一
藤田幸久
鈴木恒夫
土肥隆一
細川律夫
西博義
羽田孜
浜四津敏子 
末松義規
郡 和子
加賀谷 健
武正 公一
松野 信夫
福島みずほ
小宮山洋子 
川田龍平
鳩山由紀夫

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▼アセアンの国会議員によるミャンマー議連 ウェブサイト
ASEAN Inter-Parliamentary Myanmar Caucus (AIPMC)
http://www.aseanmp.org/news/index.php


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★本件に関するメディア報道
▼IRRAWADDY
December 8, 2008
Asian Lawmakers Push UN Chief on Burma
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14765

▼UPI Asia.com
December 08, 2008
U.N. must be tough on Burma's dictators
http://www.upiasia.com/Politics/2008/12/08/un_must_be_tough_on_burmas_dictators/1785/

▼Asian Tribune
December 08, 2008
Over 200 Asian Legislators urge UN Sec-Gen to travel to Myanmar,
http://www.asiantribune.com/?q=node/14598

▼MIZZIMA
December 08, 2008
Asian parliamentarians urge Ban to persuade Burmese junta
http://www.mizzima.com/news/regional/1411-asian-parliamentarians-urge-ban-to-persuade-burmese-junta.html
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【関連】

12月3日、112人の元国家元首(50か国以上)が国連事務総長に宛てた公開書簡を出し、今年末までにすべての政治囚を解放するよう、ビルマ軍政に働きかけることを求めた。(日本からは小泉元首相が署名。その他、ブレア元英首相、カーター元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連大統領、金大中元韓国大統領、アキノ元フィリピン大統領など)。

メディア報道

▼asahi.com(2008年12月5日)
国連総長に「年内にミャンマーへ」 世界の指導者ら書簡
http://www.asahi.com/international/update/1205/TKY200812050280.html

▼時事通信(2008年12月4日)
「国連総長はミャンマー再訪を=小泉氏ら元首脳112人が書簡」
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008120400076

▼日経ネット(2008年12月3日)
「ミャンマー政治犯解放を」 世界の元リーダーが署名
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008120400076