2009年8月10日月曜日

★PFB声明 21年目の「8月8日」

私たちビルマ市民フォーラムは、ビルマの民主化運動21周年記念日である本日8月8日、以下の声明「21年目の「8月8日」- 日本政府はビルマの民主化へ向け国際社会との団結を強化せよ」を発表いたします。


ビルマ市民フォーラム
代   表 永井 浩
事務局長 渡辺 彰悟


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     声 明
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21年目の「8月8日」-- 日本政府はビルマの民主化へ向け国際社会との団結を強化せよ


2009年8月8日
ビルマ市民フォーラム


今から21年前の1988年8月8日、ビルマの民主化要求運動はビルマ全国各地で最大規模の盛り上がりを見せた。しかしながら、同年9月18日、軍はクーデターにより全権を掌握。無差別発砲により3,000人以上の市民を殺害した。

本日、私たちは、ビルマにおける人権と民主主義の獲得のために多大なる犠牲を払い勇敢に立ち向かった多くのビルマの人々に敬意を表し、その勇気を称え、ここ日本の地からビルマの民主化運動により一層連帯する決意をあらたに表明するものである。

この21年間、ビルマ軍事政権は独裁体制を強化し武力でもって国民を弾圧しつづけてきた。軍政は天然資源からの多大な外貨収入を得ている傍ら、民主化を求める声を徹底的に弾圧し、非ビルマ民族を攻撃し、強制移住や強制労働を課している。その結果、多くの難民や麻薬取引、人身売買などといった地域の人間の安全保障への様々な脅威を増加させてきた。

ビルマの国民はこうした悪政に耐え兼ね、2007年秋、僧侶を中心に何十万人もの人々がビルマの平和と自由・人権を求めデモ行進をしたが、軍政は再び武力でこれを弾圧した。今、軍政は一方的に起草した新憲法を国民投票により「92.4%の賛成票をもって承認された」と発表し、この軍政主導の『憲法』に沿って2010年に総選挙を実施し、自らの「正当性」を確保しようとしている。

現在ビルマには2,100人以上の政治囚がおり、その多くは激しい拷問を受けている。非ビルマ民族が多く住むビルマ東部では過去15年間で3,300以上の村々がビルマ軍により破壊され、その結果、100万人以上の人々が国内避難民となり、約15万人がタイ・ビルマ国境の難民キャンプでの生活を強いられている。今年の5~6月にはビルマ軍はさらにビルマ東部カレン民族への攻撃を強め、新たに4,000人以上の人々が家を失っている。

先日のアウンサンスーチー氏の不当逮捕と判決言い渡しの延期は、ビルマにおいて法の支配が完全に欠如していることを露呈し、また何よりも軍政が民主主義と国民和解を希求する人々を裏切りつづけている証拠に他ならない。

この21年もの間、日本政府は、ビルマ国民を苦しめ抑圧し続けてきた軍事政権を基本的に支援し続けてきた。しかし、日本政府のビルマ政策が奏功していないことは明白であって、ビルマの人々の生活は日々悪化するばかりである。日本政府は、ここに、重大な責任があることを改めて真摯に受け止めるべきである。

今回、ビルマ軍政は北朝鮮、ロシアとの軍事交流を深めており、それはミサイルや核開発技術の移転にまで及んでいることが明らかになった。

かかる事態を踏まえて、国連安全保障理事会の非常任理事国である日本政府は、ビルマ軍政が今やアジア地域全体への脅威となっていることを深く憂慮し、世界で唯一の被爆国としてこの事態を深く受け止め、断固とした態度で対処するべきである。そして軍政が真の民主化への歩みを進めないならば、国際的な武器禁輸や軍政幹部を対象とした金融措置など具体的な方法を用いて国際社会の一致団結をリードし、イニシアチブを発揮するべきである。

国際社会は、情勢の改善に向けて今こそ団結して実質的な行動をとるべきである。もうこれ以上、民主化運動の下で尊い命が奪われる事がないように、強く要請する。

以上


追記)

ビルマ市民フォーラムは1996年12月に結成された市民団体で、ビルマ(ミャンマー)における人権の確立と民主化の推進を目標に、国内在住のビルマ人(難民および難民申請者を数多く含む)、ならびにこの問題に関心を有する多くの日本人と共に、さまざまな活動を続けています。