2008年4月24日木曜日

シンポジウム「武力弾圧から半年・ビルマ民主化を求めて」実施報告

PFBは4月6日(日)にNGOヒューマンライツ・ナウ、日本労働組合総連合会(連合)、在日ビルマ人共同実行委員会(JAC)、青山学院大学人権研究会と共に、シンポジウム『シンポジウム:武力弾圧から半年・ビルマ民主化を求めて― 人権侵害の実態と転機を迎えた民主化運動 ―』を実施しました。

ビルマのみなさん、日本のみなさん約300名の方々にご参加いただきました。
ご参加くださった皆さま、どうもありがとうございました。
引き続き、ビルマ情勢への関心を持ち続けていただければ幸いです。



『武力弾圧から半年・ビルマ民主化を求めて-人権侵害の実態と転機を迎えた民主化運動-』
①当日プログラム
②メディア報道
③集会で採択した「共同アピール」
④参加者からの感想

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①プログラム
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1)主催者挨拶
 古賀伸明(日本労働組合総連合会)
2)ビルマ問題の経過報告
 根本 敬(上智大学外国語学部教授/PFB運営委員)
3)ヒューマンライツ・ナウ 人権調査(2008年2月)報告
 渡辺 彰悟(弁護士/PFB事務局長)
 伊藤 和子(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
 石田 真美(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ)
 今野 東(衆議院議員)
4)外務省からの報告
  中嶋 敏 南東アジア第一課地域調査官 
5)ビルマ民主化に向けての課題
 在日ビルマ人共同行動実行委員会からのアピール
 中川 正春(衆議院議員)
 末松 義規(衆議院議員/ミャンマーの民主化を支援する議員連盟事務局長)
6)アピール文採択

■主催:
在日ビルマ人共同行動実行委員会(JAC)
日本労働組合総連合会(連合)
ヒューマンライツ・ナウ
ビルマ市民フォーラム
青山学院大学人権研究会

■賛同団体(五十音順):
(社)アムネスティ・インターナショナル日本
アーユス仏教国際協力ネットワーク
日本ビルマ救援センター
日本ビルマ問題を考える会
ピースボート
ヒューマン・ライツ・ウォッチ




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② メディア報道
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【TBS】ミャンマーの民主化求めるシンポジウムhttp://news.tbs.co.jp/20080406/newseye/tbs_newseye3821834.html
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ミャンマー軍事政権による反政府デモの武力弾圧から半年余り。6日、東京では、国会議員や外務省の職員も参加した大規模なシンポジウムが行われました。これはNGO団体ヒューマンライツ・ナウなどが主催したもので、今も700人近い僧侶や市民など反政府デモに参加した人が拘束されているとする現地調査の結果が報告されました。
また、軍事政権が発表した来月行われる新憲法制定の国民投票について、外務省の中嶋敏・南東アジア地域調査官は、「すべての国民が参加して行われるよう、ミャンマー政府に粘り強く働きかけていく」と述べました。(06日17:02)

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【毎日新聞】ミャンマー:流血から半年 支援者が東京でシンポhttp://mainichi.jp/select/wadai/news/20080407k0000m040055000c.html
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<写真あり>
シンポジウムでミャンマー民主化への協力を訴える少数民族カレン族のダバン・セイン・ヘインさん=東京都渋谷区の青山学院大学で2008年4月6日午後、佐藤賢二郎撮影

約10万人のデモが武力鎮圧されたミャンマーの流血から半年。同国の民主化を支援する市民団体などが6日、東京都内でシンポジウムを開き、日本政府に人道支援を除くすべての政府開発援助の凍結などを求めるアピールを採択した。
 在日ミャンマー人のヘインさん(29)は「弾圧は今も続いている。市民は全く武器の無い状態で軍政と戦っている」と現状を報告。人権擁護団体「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子事務局長は、タイに逃れたデモ参加者の証言を基に、軍の無差別発砲や僧侶への弾圧の様子を伝えた。
 また、上智大学の根本敬教授は、来月の国民投票で実施の是非が問われる新憲法案に ついて「軍部に特権を与えるものだ」と批判し、不正が行われる可能性もあると指摘した。(毎日新聞2008年4月6日 19時54分(最終更新 4月6日 20時22分))

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③ 共同アピール
「武力弾圧から半年・ビルマ民主化を求めて」 
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本日、私たちはビルマにおける人権侵害の実情と対話による民主化が全く進展していないことを確認した。昨年9月の民主化デモに参加した勇気ある僧侶・市民たちは、軍事政権によって殺害され、迫害され、未だに700人以上が拘束をされている。政治的な活動に参加したために自由をうばわれている人々は1800名を超し、国際社会の強い非難にも関わらず、人権抑圧の事態は改善されていない。
 
軍事政権は1990年の選挙結果を無視し、民主化勢力を排除して一方的に新憲法草案を 起草し、その賛否を問う国民投票を2008年5月に実施し、2010年に総選挙をおこなう、と発表した。新憲法草案は、その起草過程に重大な問題がある。外国人と結婚した者は被選挙権がないとして、民主化指導者アウンサンスーチー氏を総選挙のプロセスから完全に排除していること、定員440名の議会において、110人は軍により任命されること、基本的人権は国家秩序と現行法の範囲でしか保障されないことなどである。これは、軍事政権の独裁と弾圧が今後も続く危険性が高い。また、真の民主化の実現や人権尊重とはほど遠いことが明らかである。民主化を求める人びとが繰り返し指摘するとおり、真の民主化は、アウンサンスーチー氏をはじめとするすべての民主化勢力・関係者との対話によってしか実現されない。

私たちは今も続く人権侵害に警鐘をならし、軍事政権による憲法国民投票の強行に反対する。私たちは、ビルマ軍事政権、日本をはじめとした国際社会に対して、真の民主化の実現に向けて以下の諸点を求めるとともに、私たち自身も民主化に向けて積極的に行動することを宣言する。

●軍事政権は、アウンサンスーチー氏とすべての政治囚、僧侶ら民主化勢力を釈放すること。
●軍事政権は、民主化勢力を排除した国民投票の強行をやめ、ただちに民主化勢力、各民族代表者ら すべての関係者との実質的対話による民主化プロセスを開始すること。
●国際社会は、軍事政権が強行しようとする憲法国民投票のプロセスと憲法草案に明確な反対の意思を 表明すること。
●国際社会は、軍事政権に対し民主化勢力および各民族代表者らとの対話による民主化プロセスを開始 するよう強く働きかけること。
●日本政府は、ビルマで迫害・抑圧に苦しみ、祖国から逃れた人々を人道的な立場から難民として積極的に 保護すること。また、第三国定住制度を通じてビルマ難民を広く受け入れること。 
●日本政府は、軍事政権が民主化勢力との対話で民主化が前進するまで、限定的な人道支援以外の すべての政府開発援助(ODA)を凍結すること。

以 上

2008年4月6日

在日ビルマ人共同行動実行委員会
日本労働組合総連合会
ヒューマンライツ・ナウ
ビルマ市民フォーラム

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④ 参加者からの感想
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いただいたご感想の一部を紹介させていただきます。

●昨年の9月のことや関連することについて日本では報道されない部分が知れてよかった。本当にひどい状況で、ビルマの人々の生の声が聞けてよかった。スーチー氏の「あなた方の自由を私たちの自由獲得のために使ってください」という言葉が胸に響きました。こんなに豊かな日本人はもっと自分だけでなく他の人、他の国の人々のことを考えなくてはならないと思います。(20代、学生)

●一般メディアではなかなか聞くことができないビルマの現状に触れることができ、大変勉強になりました。(20代、女性)

●会場の熱気に驚きました。自分にも手伝えることがあったら、活動に参加したいと思います。政府からNGO、研究者まで第一人者が集まって分かりやすく説明していただけてよかったです。(20代、学生)

●現状について報道も減ってきていたのでお話が伺えてとても参考になりました。憲法草案の話は全く知りませんでした。注視していきたいと思います。(40代、女性)

●憲法草案の問題点がはっきりしたので良かった。難民についても多くの人に(入管の)収容所に面会に行ってほしい。(50代、男性)

●ビルマの現状を認識すると同時に、国際的枠組みの中で何とかして民主化を進められないかと強く思いました。平和で豊かな日本ができることをもっと世論に訴えていくことがとても大切だとも感じました。今後ビルマに関心をもっていきたいと思います。(40代、男性)

●外務省の方の出席があったのが良かった。日本からも大きな力が動くよう祈っています(50代、女性)