「88世代学生グループ」のリーダーの一人である、ニーラーテインさんが、今月10日、逮捕されました。
ニーラーテインさんは、昨秋ビルマでの燃料費大幅値上げをきっかけに数十万の僧侶や市民が立ち上がった民主化蜂起の際、一連の行動の口火を切り、指導的な役割をはたした、ほかの多くのリーダー同様、軍事政権によって逮捕される危険のある人物でした。昨年8月に夫が逮捕されて以来、ニーラーテインさんは生まれて間もない娘を親戚に預け、地下に潜伏していましたが、10日、ヤンゴンで逮捕されてしまいました。
昨年10月28日に東京で行った、緊急集会「ビルマ(ミャンマー)軍政と日本―日本外交を動かそう!」(共催:ビルマ市民フォーラム、在日ビルマ人共同行動実行委員会、(社)アムネスティ・インターナショナル日本、アーユス仏教国際協力ネットワーク)に、当時、潜伏中のニーラーテインさんが寄せてくださったメッセージを、再度、ご紹介いたします。
PFB事務局
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ビルマから・・・・
日本のみなさまへ
ニーラーテイン(女性・88世代グループ)さんからのメッセージ
ビルマを平和な、民主的な国にしていくために私たちは懸命にたたかっています。私たちにとって日本のみなさまの協力・支援は大きな励ましです。私たちの国では国民のほとんどは仏教徒です。この国を支配している軍事政権は私たちが尊崇する僧侶や学生、一般市民を暴力的な手段で弾圧しています。こうした国の状況を世界へ知らせようとしてくださった長井健司さんは軍の発砲によってその命を奪われました。
長井さんを殺害するシーンは世界中に報道されました。日本のみなさまもそうであるように、私たちはこの悲しい光景を絶対に忘れることはありません。長井さんの死はなにをもたらしたでしょうか。日本のみなさんにとっては正義の立場から報道する優れたジャーナリストを失ったことになります。私たちビルマ国民もまたビルマの民主化と人権のためにたたかってくださった真の友人を失いました。
長井さんの死をきっかけに多くの日本のみなさんが正義の側にはっきりと与してくださいました。そのご判断を心からうれしく存じます。日本のみなさまには、日本政府がビルマ軍事政権に対して支援をすることのないよう声をあげていただきたいと思います。
私たちはどのような武力鎮圧や弾圧があろうとも、ビルマの平和、世界の平和、自由と正義のためにあくまでたたかいつづけます。日本のみなさん、日本政府も私たちとともにたたかってくださるものと信じております。
ありがとうございました。
日本語訳:田辺寿夫
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