2008年9月6日土曜日

声明:アウンサンスーチー氏の食事受け取り拒否の事態を受けて

現在2003年5月から3度目の自宅軟禁におかれているアウンサンスーチーさんが、先月8月15日の食事を最後に、翌日から食事の受け取りを拒否している事態について、ビルマ市民フォーラムは、本日、以下の声明を発表いたします。

自宅軟禁下にあるアウンサンスーチーさんの食事は、毎日、同氏が書記長をつとめる国民民主連盟(NLD)の人によって自宅に届けられ、警備の者を介して、本人に届けられていました。外部との連絡も完全に遮断された状態が続いていました。


声 明

―アウンサンスーチー氏の食事受け取り拒否の事態を受けて―




ビルマ市民フォーラムは、アウンサンスーチー氏が食事の受け取りを拒否し、その真意が明らかになっていない事態を深く憂慮する。

アウンサンスーチー氏が書記長をつとめる国民民主連盟(NLD)は、スーチー氏が8月16日以降、食事の受け取りを拒否していることを明らかにした。

NLDの声明のとおり、未だその真意は明らかにされていないが、アウンサンスーチーの行動が単なる体調不良ではなく、ハンガーストライキだとすれば、それは何らかの強いメッセージを含むものと考えられる。国内情勢の困窮さを訴えると同時に、サイクロン被災者救援の過程における国連の対応やビルマの政治的問題解決にむけた仲介への不満の表明である可能性が高い。


ビルマ市民フォーラムは、パン・ギムン国連事務総長に対し、直ちにビルマに入り、アウンサンスーチー氏と面会し、同氏の健康状態とその真意を確認するばかりでなく、アウンサンスーチー氏が外部に自分のメッセージを表明する自由が認められるよう、軍政を説得することを要請する。

日本政府はアウンサンスーチー氏がビルマの民主化の進展に最も重要な人物のひとりであるとの認識から、これまでビルマ軍事政権に対し、同氏の釈放と全ての関係者との対話を開始するよう求めてきた。

ビルマ市民フォーラムは、日本政府に対し、この緊急事態においてパン・ギムン国連事務総長が早急にビルマへ入国するよう働きかけると共に、日本政府も自らアウンサンスーチー氏の状態を確認し、同氏の真意を明らかにするよう軍政に強く働きかけるよう要請する。


2008年9月6日

ビルマ市民フォーラム
代表 永井 浩


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追記)
ビルマ市民フォーラム(PFB)は1996年に結成された市民団体で、ビルマ(ミャンマー)における人権の確立と民主化の推進を目標に、国内在住のビルマ人(難民および難民申請者を数多く含む)、ならびにこの問題に関心を有する多くの日本人と共に、さまざまな活動を続けています。


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