ビルマ情勢をうけ、本日、ビルマ市民フォーラムは以下の緊急声明を発表いたします。
ビルマ市民フォーラム
代 表 永井 浩 (神田外語大学教授)
事務局長 渡辺 彰悟 (弁護士)
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緊 急 声 明
アウンサンスーチー氏の訴追に抗議し早期釈放を求める
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本日,ビルマ軍事政権はアウンサンスーチー氏をインセイン刑務所に連行し,同氏を国家防御法違反の罪で起訴したとの情報が流れている。ビルマ市民フォーラムはかかる事態を深く憂慮し,ビルマ軍事政権の蛮行に対して強く抗議する。
アウンサンスーチー氏は,1989年以後約20年間のうち13年以上もの間自宅軟禁下に置かれてきた。現在は3度目の自宅軟禁であり,2003年5月以降今日まで続いていた。この拘束期限は今月末のはずであったし,国際社会は同氏の解放を心待ちにしていた。
このような状況下で,今月7日には同氏の脱水症状,血圧の低下,食事をうけつけない等の体調不良が伝えられ,これに対して軍政が適切な医療の提供を認めない等,同氏の健康や生命を危うくすることを厭わない軍政の姿勢が露骨となっていた。
そして,今般,軍政は先日の米国人男性が湖を泳ぎ渡り自宅を訪問した件に絡めて,これを理由として国家防御法を適用して,アウンサンスーチー氏をインセイン刑務所に連行し,刑務所内の特別法廷において起訴したというのである。
軍政の狙いはあまりにも明白である。今月末に解放しなければならないアウンサンスーチー氏をどんなことがあっても自由にしない,アウンサンスーチー氏のビルマ国内における存在意義を否定するというものである。ビルマ軍事政権が,今の権益維持のためならどのようなことでも平然とやってのけるということは,これまでの歴史が示しているところであるが,今回の事態はその極め付けでもあり,ビルマの民主化を願うビルマ国民,そして国際社会に対する重大な挑戦でもある。愚挙・蛮行としか形容のしようがないものである。
私たちビルマ市民フォーラムは,ビルマ軍政にかかる暴挙をやめ,直ちにアウンサンスーチー氏を解放することを求める。
日本政府は,今回の事態についてビルマ軍事政権に対し,断固たる強い抗議をなすべきである。ビルマ軍事政権がかかる姿勢を継続する以上,ビルマの民主化への道が閉ざされていることは明白であり,この間の憲法国民投票や,来年に予定されている選挙そのものが,ビルマ軍政の用意した茶番であることも,今回の事態は非常に明白な形で露呈させていることを日本政府は認識すべきである。
以上
ビルマ市民フォーラム
代 表 永井 浩
事務局長 渡辺 彰悟
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★★現在、アウンサンスーチー氏をはじめ全ての政治囚の釈放を求め、世界32カ国でグローバル署名キャンペーンが行われています。
http://pfbkatsudo.blogspot.com/2009/05/news-1.html
署名のほか、賛同・参加団体を受けておりますので、ぜひご協力いただければ幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。
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