2010年6月24日木曜日

★日本のNGOがタンシュエ議長とスーチー氏の直接対話を求める要請書を提出

アウンサンスーチーさんの65歳の誕生日に、ビルマ市民フォーラムほか計10団体が軍事政権トップであるタン・シュエ国家平和発展評議会議長へアウンサンスーチー氏との直接対話を求め、要請書を提出しました。

以下、プレスリリースと要請書・本文をご紹介します。

PFB事務局 

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【プレスリリース】
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日本のNGOがタンシュエ議長とスーチー氏の直接対話を求める要請書を提出
―アウンサンスーチー氏 65歳の誕生日に―

2010年6月21日
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
ビルマ市民フォーラム

ビルマの民主化勢力指導者アウンサンスーチー氏は、軍事政権による不当な拘束下で、6月19日に65歳の誕生日を迎えました。
ビルマ軍事政権は、アウンサンスーチー氏の解放を求める国際社会の声を無視したまま、今年の総選挙実施に向け、準備を進めています。総選挙には、アウンサンスーチー氏を始めとするすべての政治囚は参加できず、このままでは、さらなる軍政支配の強化を招くだけです。この総選挙がビルマに民主主義、平和、安定をもたらすことはありません。

そのような事態を憂慮し、6月4日、日本の国会議員87人が、軍事政権に対し、アウンサンスーチー氏とタンシュエ国家平和発展評議会議長との直接対話を求める要望を署名とともに、タンシュエ議長及びビルマ大使館、国連事務総長、国連安全保障理事会理事国政府などに提出しました。

ビルマ人民主化勢力は、現在の問題を解決するには、アウンサンスーチー氏とタンシュエ議長との間で、直接対話をすることが最も重要であると、その実現を強く望んでいます。ビルマの民主化を支援する私たち日本のNGO10団体も、両氏が一日も早く直接対話を行い、「八方ふさがり」となったビルマの政治状況を打開し、あわせて同国の社会状況、とりわけ人権状況改善に向けた第一歩を探ることができればとの思いから、6月19日のアウンサンスーチー氏65歳の誕生日にあたり、別紙のとおり、タンシュエ議長宛にアウンサンスーチー氏との直接対話を求める要請書を提出しました。

「国民の信頼をもっとも集めるアウンサンスーチー氏とタンシュエ議長の直接対話の実現を糸口にしてしか、民主化への道はひらけない」とビルマ市民フォーラム事務局長渡辺彰悟(弁護士)は述べ、アムネスティ・インターナショナル日本の熊澤新も「軍事政権がこれ以上かたくなになることなく、まずは直接対話を皮切りに、状況改善のために努力してほしい」と期待している。

(この要請書はタンシュエ議長のほか、国連安全保障理事会の加盟国にも送付しました。)

【取材・問合せ先】
ビルマ市民フォーラム 事務局 
03-5312-4817
pfb@izumibashi-law.net

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【要請書・本文】
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タンシュエ国家平和発展評議会議長 

アウンサンスーチー氏との直接対話実現についての要望書

2010年6月18日
                   
私たちは貴政府が今年20年ぶりに総選挙を行うことについて、以前からその動向に注目してきました。

先ごろ、貴政府は、総選挙実施に当たっての法律を施行しました。内容を精査すると、民主化勢力のリーダーであるアウンサンスーチー氏や政治囚たちが選挙に参加できず、政治囚が党員として所属している政党は、名簿登録すらできないようです。その結果、貴政府の意向に沿った国民だけが投票できるという、極めて非民主的な選挙になるのではないかと、強く懸念しています。

2007年、貴政府は、アウンサンスーチー氏との「条件付き対話」を行うとの姿勢を国際社会に示し、連絡役としアウンチー副労働相を任命しました。以来、国連及び、日本を含めた諸外国政府は、貴政府とアウンサンスーチー氏との実質的な対話の実現や、氏を含めたすべての政治囚の解放を再三要請してきました。

しかし、今回施行された法律を見る限りでは、貴政府は、これらの要請に全く応えようとしていない、と受け止めざるを得ません。
私たちは、このまま現在の状況がなんら変わることなく、総選挙に至ってしまうことを非常に憂慮しています。

そのような事態になれば、日本政府は選挙の結果がビルマ国民の意思を反映したものとして認めることはできないと貴政府にはっきりと伝え、これまでのビルマに向けた日本政府の外交方針を抜本的に転換させるべきだと考えます。国際的な武器禁輸措置や、軍政が犯しているとされる人道に対する罪に関する国連調査委員会の設置など、これまで以上に実質的な行動がとられるべきです。

私たちは、貴政府とアウンサンスーチー氏とが、相互理解を果たし、同氏を始めすべての政治囚が解放された後に、納得のできる形で民主主義の理念に沿った総選挙が行われることこそ望ましいと考えています。したがって、関係するすべての国民が、それぞれの自由な意思に基づいて選挙に参加できることを強く願っています。

こうした、貴国のより民主的な状況の実現のためには、できるだけ早く、アウンサンスーチー氏とタンシュ議長との直接対話がなされるべきであることは言うまでもありません。

貴政府が、私たちの要望に迅速に対処してくださいますことを強く要請します。



<呼びかけ団体>
社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
ビルマ市民フォーラム 

<賛同団体>
日本ビルマ救援センター
ビルマ情報ネットワーク
財団法人 アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)
インドネシア民主化支援ネットワーク
ヒューマンライツ・ナウ
在日ビルマ難民たすけあいの会
ビルマ・コンサーン
特定非営利活動法人APLA  


*2010年6月19日付郵送
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