本日、ビルマ軍事政権は、憲法草案を是非を問う国民投票を一部地域を除き、実施しました。この事態をうけ、ビルマ市民フォーラムは、以下、声明を発表いたします。
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【声 明】 ― ビルマ国民投票実施をうけて
2008年5月10日
ビルマ市民フォーラム
ビルマ軍事政権は、5月10日に新憲法草案の賛否を問う国民投票を、一部被災地域を除いて実施し、2010年に総選挙を実施すると発表した。しかしながら、この草案は1990年の総選挙の結果を完全に無視したものであり、議席の25%を軍関係者が確保すること、外国と関係のある者は議員になることができないなど、憲法全体を通じて国軍のビルマ国家における特別の地位が保障されているものであって、到底受け入れることのできないものである。
しかも、軍政は本日までに新憲法草案に反対を唱える者を逮捕・拘束し、草案を示さずして賛成票を投じるよう国民への圧力をかけてきた。さらに、イブラヒム・ガンバリ国連事務総長特別顧問の提案については、国際監視団の受け入れを公式に拒否した。
そして何よりも、未曾有のサイクロン被害を受けて、被災地の国民の救済が急務であるにもかかわらず、救援よりも権力の維持を優先させる軍政の姿勢は国際社会にとっても容認できないものである。
同時に、ビルマ市民フォーラムは、2007年8~9月、軍政が僧侶・市民による平和的な抗議行動を武力で弾圧し、今日もなお、多くの僧侶・市民を逮捕・拘束し続けていることに対し深く憂慮している。軍政主導の“民主化プロセス(7段階のロードマップ)”は、見せかけに過ぎず、“真の民主化“とは程遠いものであり、民主化と人権の尊重を求めるビルマ国民の切なる意向を完全に無視したものである。
以上のような状況を踏まえて、私たちビルマ市民フォーラムは、日本政府に対し、以下の諸点を要求する。
1. 軍事政権に対して何よりも優先的にサイクロン被災地の救援をなすべきことを強く要求し、日本を含めた国際社会の人的・物的なすべての人道的支援を積極的に受け入れるように強く要求すること。
2. 軍事政権が発表した新憲法基本原則(草案)を承認せず、また、今般実施されている国民投票を経て軍政が憲法草案の承認を宣言しても、それを認めないこと。
3. 軍事政権がアウンサンスーチー氏を含むすべての政治囚・僧侶を早期に無条件で釈放し、1990年総選挙で圧勝した政党NLD(国民民主連盟)、当選議員、非ビルマ民族代表者ら全ての関係者とともに真の国民和解に向けて実質的対話を開始するまでは、ODAを停止すること。人道援助に関しては、必要性を見極め、透明性を確保した上で、国際機関・NGOなどを通した援助に限ること。
4. 国連安保理ならびに事務総長の勧告・提案に従い、真の国民和解に向けた実質的な対話が開始されるよう国連と共に行動すること。とりわけ国民投票の実施にあたり反対勢力への逮捕・拘束を即刻停止するよう強く要請すること。
5. 対話の進展が見られない場合は、軍政幹部を対象とした金融措置などの新たな措置も検討すること。
以上
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追記)ビルマ市民フォーラム(PFB)は1996年に結成された市民団体で、ビルマ(ミャンマー)における人権の確立と民主化の推進を目標に、国内在住のビルマ人(難民および難民申請者を数多く含む)、ならびにこの問題に関心を有する多くの日本人と共に、さまざまな活動を続けています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━